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「わかった。ゆっくりでいいぞ」
忙しく動く彼女に一声かけて、部屋の真ん中にある長机に荷物を置き、近くにあった椅子に座る。
教室の半分ぐらいの広さに、教材となる石像や絵を描く道具をおいた棚が壁一面に置かれていた。
時々鼻につく、絵の具の匂いが美術室独特の雰囲気があり、室内を見回して僅かに首を傾げた。。
「なにか珍しいのがあった？」
「あれ。教科書に乗ってたものがあるのにびっくりした。意外と大きい」
あれ、と指差したのは、窓際近くの棚に鎮座した白い石膏の像。
「ヘリウスかな？ギリシャ神話に出てくるね」
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