第1章

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「何故、お試しのひとつを買わないんだろうか?」 俺の疑問に、園田さんは辛い味のお菓子を選びながら答える。 「赤崎先生の話だと、作られる数が少ないらしくて、自分好みのお菓子なら箱買いしないと食べたりなくらしいよ」 「へぇ」 曖昧な返事をしつつ、俺は甘めのお菓子を選ぶ。 ○ッキーに似た形ながら、トッピングされた部分を一口食べる。 見た目以上に甘く口の中に広がる味覚に、俺はペットボトルを開けて流し込みほっと息をつく。 向かいに座る園田さんは、顔を手で扇ぎながら食べていた。 「大丈夫か?」 「食べれない辛さじゃないけど、ちょっときついかな」 ちびっと飲料水を飲みつつ答える彼女に、俺は内心驚いていた。 園田さんが食べている菓子は、以前テレビで辛いもの好き芸人が、あまりの辛さに悶絶していた品物だ。
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