第1章

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「あの、そろそろ話いいか?」 口の中をさっぱりさせて、ここに来た目的を思い出す。 「そうね」 彼女も肯くのを見て、俺は少し姿勢を正す。 「探し物があって、宗那君に見つけてもらいたいの」 「探し物?」 「ええ、宗那君にしか探せない」 断言する相手に、俺は無言で彼女の話した意味を考える。 俺にしかできないということに、心あたりがひとつしかない。 何故? と考えて彼女を見返す。 俺の黙りに、園田さんは苦笑いを浮かべる。 「そう怖い顔されたら、話しづらいかな」 「あ一、すまない」 相手に謝っても、言葉だけで声が何時もより固い。 「警戒されるのは予想していたから、気にしてないわ。それに、可愛いもん」 「かわいい?」 聞き返した俺に、彼女はキラキラした目を向け何度も首を縦に振る。 いや、俺ものすごく怖い顔してた自覚があるのに、どこにかわいいい要素があるんだ?
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