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「あの、そろそろ話いいか?」
口の中をさっぱりさせて、ここに来た目的を思い出す。
「そうね」
彼女も肯くのを見て、俺は少し姿勢を正す。
「探し物があって、宗那君に見つけてもらいたいの」
「探し物?」
「ええ、宗那君にしか探せない」
断言する相手に、俺は無言で彼女の話した意味を考える。
俺にしかできないということに、心あたりがひとつしかない。
何故? と考えて彼女を見返す。
俺の黙りに、園田さんは苦笑いを浮かべる。
「そう怖い顔されたら、話しづらいかな」
「あ一、すまない」
相手に謝っても、言葉だけで声が何時もより固い。
「警戒されるのは予想していたから、気にしてないわ。それに、可愛いもん」
「かわいい?」
聞き返した俺に、彼女はキラキラした目を向け何度も首を縦に振る。
いや、俺ものすごく怖い顔してた自覚があるのに、どこにかわいいい要素があるんだ?
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