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「園田さん、それ返してもらっていいか?」
「えー、やだ」
「いや、困るんだって」
よほど気に入ったのか、口を尖らせて離そうとしない。
小さな俺は、彼女から頬をつつく手に抵抗する元気もないらしく、されるがままだ。
ただ、無言で此方をにらみつけてくる。
人相変わってるな、怖いよちっこい俺。
「とにかく、かえしてもらうよ」
少々強引に園田さん手から引き上げる。
うん、地味に痛いよ。遠慮なく掌を蹴ってきた。
胴体を掴み机におろして、俺は目線を合わせる。
「悪かった。このとおり」
頭を下げる俺の額に、あいつはバシバシ叩きながら前髪を力強く引っ張る。
「痛いぞ」
いつも以上に機嫌が悪く、加減なしの抗議受けて、俺はポケットからちび俺の前にある物を差し出した。
一口サイズのチョコレートを5個、チビ俺の前に積む。
俺の好物で彼の好物でもあるチョコは、何時もは1日2個で充分だが、今日はこれぐらいでないと足りない。
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