第1章

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差し出したと同時に手が伸びてきた。 両手でキャップを持って一気飲みし、こちらに向けられた蓋に俺は無言で飲み物を注ぐ。 やけ食いしてるなあ、と声に出さずただ給仕に集中する。 8回おかわりした後、後ろ手で新しいチョコを取って食べ始めるのを見て、起用だなと関心して見ていた。 すると、口を動かしながらギロリと睨まれた。 普段と違う人相の悪さに、思わず口元がひきつる。 ずっと見ていると、更に機嫌が悪くなると判断して、俺は手を2回降って「おやつ食べてて」と合図する。 視線をそらして園田さんにを見ると、俺と同じく口元がひきつっていた。 「し、静かに話そうか」 「あー、そうしてくれる助かる」 先ほどより幾分声をひそめて話し始める。 本当は色々聞きたいことはあるが、ここに来た用件を済ませることが先だ。 気持ちを切り替えるように、1度飲み物を飲んで園田さん向かい合う。 「俺にしか頼めないというのは、小っこい俺も関係がある?」 「あると思う。……多分?」 はっきりと言い切れない言葉に、俺は首を傾げた。 「多分?」 「あのね、頼み事が2つあるの。1つは、小さい宗那君関わるよ。もう1つは、まだ言えない」
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