序章

2/2

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
「ウソつき」 たった一言。 感情ない声で発した言葉が、胸に刺さる。 「ウソじゃ、ない」 小さな声の反論は、背を向けた相手に届くことはない。 ただ、手を握りしめ見つめるしかなかった。 この日、物心ついた時から見えていたものが、他人に見えないと知った。 同時に、初めての失恋を体験した日だった。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加