第1章

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「行けそうか?」 問いかけると、腕を組んで前方を睨むこと数秒後、 顔を上げ不機嫌な表情のまま頷いた。 「それじゃあ、頼むよ」 わかった、というようにもう一度頷き隙間に入っていく。 彼の表情に疑問を感じつつ、俺は後ろから様子をうかがう彼女に、疑問をぶつけてみた。 「何故、小さい園田さんはここに?」 俺にナツを探す協力をしてきた理由はわかったけど、ここにいる経緯は分からないままだ。 「宗那君は、私に関する噂を聞いたことある?」 園田さんの問い掛けに、俺はいちしまが話していたことが浮かび頷く。 「男が苦手と言う噂は最近知ったけど」 本当は今日だけど、しかし今の状況は、噂にあてはまらないと首を傾げる。 「噂はあってるよ。宗那君の場合は、小さい彼が初対面だから少し平気だけど、他の人は話す理由がない限りは関わりたくない」 顔をしかめ心底嫌そうに話す園田さんを見て、成る程と頷くと同時に、俺への接し方が違う理由も分かった。 なにかきっかけがあって、男が苦手になったはずだが、今回の相談にも関係があるのだろう。
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