3人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
「行けそうか?」
問いかけると、腕を組んで前方を睨むこと数秒後、
顔を上げ不機嫌な表情のまま頷いた。
「それじゃあ、頼むよ」
わかった、というようにもう一度頷き隙間に入っていく。
彼の表情に疑問を感じつつ、俺は後ろから様子をうかがう彼女に、疑問をぶつけてみた。
「何故、小さい園田さんはここに?」
俺にナツを探す協力をしてきた理由はわかったけど、ここにいる経緯は分からないままだ。
「宗那君は、私に関する噂を聞いたことある?」
園田さんの問い掛けに、俺はいちしまが話していたことが浮かび頷く。
「男が苦手と言う噂は最近知ったけど」
本当は今日だけど、しかし今の状況は、噂にあてはまらないと首を傾げる。
「噂はあってるよ。宗那君の場合は、小さい彼が初対面だから少し平気だけど、他の人は話す理由がない限りは関わりたくない」
顔をしかめ心底嫌そうに話す園田さんを見て、成る程と頷くと同時に、俺への接し方が違う理由も分かった。
なにかきっかけがあって、男が苦手になったはずだが、今回の相談にも関係があるのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!