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「急にそんなことしたら、怪我して危ないでしょう」
小さな彼女を叱りつけながら、手を伸ばして掴む。
両手で包み込んで小さい俺の上から取り上げると、
倒れた状態のまま動かないこと心配していた。
「宗那君ごめんね。彼大丈夫かな?」
必要以上に近づかないよう、未だに動きのない小さい俺を見つめていた。
「あー、動けそうか?」
本当なら園田さんのように、小さい俺を掌に乗せて怪我をしてないかとか、抜けた靴をはかせたりとか、することは色々あったはず。
ただ、声をかけたのはいいが、普段俺以上にしっかり者の彼の見たことのない姿に、どうしたらいいかわからず動揺しまくっていた。
こちらの問い掛けに両手でバツの形をすると、ゆっくりと顔を俺の方に動かす。
若干涙ぐみ酷くて疲れた表情は、見ていて申し訳なかった。
「と、とりあえず、起きられる元気が出るまで楽にしていいからな」
お疲れ様の気持ちをこめて軽く頭を撫でれば、パタンと頭を伏せ動かなくなった。
休ませている間に、俺は園田さんに向き直る。
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