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自主的に動いていていたならば、俺は園田さんの頼みを受け入れるだけだ。
これまでの経験から、自分にも小さな俺にも悪いことは起きないという自信がある。
「園田さん。もう1つの件は?」
彼女に問いかけると、園田さんは視線をさまよわせ口を閉ざす。
一方捕まったままのナツは、頬を染めぱあっと満面の笑みで、目を輝かせながら手を組んで俺の顔をじっと見上げてくる。
目は口ほどにものをいう、とはこのことだろうかと思うほどの意思表示に俺は苦笑する。
「あのね、宗那君」
視線をあげると、園田さんはあー、うー、言いつつ眉間にしわを寄せ睨んでいた。
なんで、ナツさんと正反対な表情なんですか?
言葉にできない疑問を思いつつ、口をつぐむ。
「さっきも言ったけど、私男の人が苦手ではっきり言えば関わりたくないくらい嫌いなのよ」
「うん、それで?」
「ただ、このままでいいとも思ってないの。学校はまだしも、社会にでて働くとなったらわがまま言えないし、自分が一番困るのはわかるから」
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