第1章

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「確かに」 彼女の言い分はもっともだと頷く。 「だからね、ある程度男の人に慣れる手伝いしてほしいかなあ、って。今日宗那君と話していても、怖いとか緊張しなくて家族以外で楽に話せる男性って宗那君が初めてでした。自分でもかなりびっくりです。どうかな? 協力してもらえないかな?」 険しい表情のまま、見上げてうかがう園田さんに、今度は俺が彼女から視線をそらす。 素直に話してもらえているのはいいけど、かなり恥ずかしい。 とてもいい印象があること、今話しができるきっかけは、小さな俺の偶然と親切の賜物である。 だけど、彼女が前に進むきっかけとなれば。 「あー、いいけど」 真正面から見る勇気もなく了承の返事をすれば、寝そべっていた小さな俺が、ゆっくりとした動作で座り顔を赤らめてうんうん頷いていた。 「ありがとう、宗那君」 視線をもどせば、目を細め先程より表情がゆるんだ園田さんと、さらに笑顔が輝かせるナツがいた。 ほっとした様子が、ちょっと可愛いと思ったのは内緒だ。
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