第1章

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具体的にどんなことをするのか、明日話し合うことを決め、小さな俺を制服の胸ポケットに入れて準備室を出た。 靴に履き替え、校門を出るまで無言で歩く。 その間、頭の中では普段の自分からしたら想像できないくらい、色々と頭が痛くなる程考えていた。 学校を出て家に帰る途中、人通りもまばらになってきたところで胸ポケットに触れる。 「今日は大変だったな」 小さな俺をねぎらうように頭を撫でる。 いつもより大人しくポケットにおさまり、大きな欠伸を何度も繰りかえしていた。 俺は学校を出てから考えていたことを、小さな声で彼に話しかける。 「あのさ、お前の名前、ショウ、とつけるが、如何でしょうか?」 敬語で話しかけるのも、少し緊張しているし気に入らないならどうしようかと不安なこともある。 自分の名前勝馬(カツマ)の勝をショウと呼び方を変えてカタカナで表現する。 ひねりもない、簡単かつ俺も覚えやすく呼びやすい名前と考えていたら行き着いた。 視線を下に向ければ、驚いた表情の小さい俺と目が合う。
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