3人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
翌日、朝から暑い中いつも通りの時間に登校した。
教室に入ってクラスメイトに挨拶しつつ、自分の席に座るとバッグから下敷きだけ机の上におき、筆記道具を机に入れる。
胸ポケットから、ゆっくりとショウをだし机の上の移動させると、両手を上にあげて身体を伸ばす。
登校時、うっすらとかいた汗をふきつつ下敷きで自分を扇いで涼む。
ここまでは、普段と変わらない日常だった。
いつもと違ってきたのはこの後、涼んでいた俺に近づいてきた足音が始まりだ。
「お、おはよう、宗那君」
顔をあげると、朝から顔を合わせるには迫力満点、いや、表情険しい園田さんがいた。
さっきまでとは違う汗が背中に流れた気がしたが、俺は気にしないことにして彼女に頷く。
「おはよう、園田さん。どうしたの?」
周囲のざわめきを無視して挨拶をかえせば、彼女は前の席に座ると手にしていた携帯電話を少し前に差し出した。
「番号教えて。あと、LINEのも」
目つきがキリリと鋭くなる彼女に、俺は口元がひきつりそうになるのを堪える。
最初のコメントを投稿しよう!