第2章

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視線を下に向ければ、机の上ではナツがキラキラな笑顔を見せながら、ショウの手をとってブンブン上下にふって挨拶していた。 この落差はなんだ。 声にだせない叫びに、自分でわからんと突っ込みたくなる状態だが黙って手を動かす。 周囲のざわめきが大きくなったのも気にしつつ、バッグから携帯を取り出してメール画面を開く。 慣れた動作で入力しつつ、視線を前に向けると相変わらず怖い表情の園田さん。 「メールアドレス教えて。LINEのアカウントも書いて送るから」 顔ひきつってないよな? 平常心、平常心。 内心呟きながら、園田さんが見せてくれた画面を見つつ、指を動かし彼女にメールを送信する。 受信を知らせる音が響き、彼女の手がせわしなく動いたあと「ありがとう」とお礼を言って立ち上がる。 携帯と一緒にナツをすくい上げる。 彼女の手から顔を出して俺にもバイバイと手を振るナツに、ショウは軽く手を上げ俺は軽く頷きかえした。
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