第1章

2/32

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
よく晴れた日。 窓際の席で、のんびり日向ぼっこしていたら、わずかに影が落ちた。 「宗那(ソウナ)君?」 問い掛けに顔をあげると、目の前に一人の女子生徒が立っていた。 「あー。悪い、誰?」 ぼんやり頭で、目の前の生徒名が思い浮かばない。 それに、聞く方が早いし。 「園田夏生(ソノダナツキ)です。昨日席替えするまで、宗那君の後ろの席にいたけど」 「ああ、だったな」 苦笑する相手の顔を見て、頭の中で顔と名前が一致した。 「すまん、名前を覚えるの苦手で」 「そうみたいね」 勝馬の謝罪に、軽く頷きつつ気にしてないことを伝えてきた。 「高校入ったばかりで、クラス全員の名前と顔を知っている方が凄いわ」 「まあ、そうだよな」
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加