第2章

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園田さんのことで男子が騒ぐのはわかったが、できれば平穏な日々がいい。 黒板に視線を戻し、ノートを書き写しながら俺は随分のんきに考えていたと後から思ったこと。 午前中の授業を終え、お昼休みにいちしまと弁当を食べ終えた時だった。 「宗那勝馬はいるか?」 問いかけの声に視線を動かすのと同時に、教室内で歓声があがる。 何事?と入り口を見れば、一人の男子生徒が立っていた。 背が高く顔もいい、俺でも女子生徒が騒ぐのもわかる程格好いい。 襟についた学年章を見れば、三年生らしいがほぼ初対面の相手、午前中に見た小さな男子生徒の大本だ。 俺の中でいい印象がない相手に、返事にためらっていると、彼の近くにいた女子生徒が俺を指差していた。 「かっつん、厄介だ。長元(ナガモト)先輩だぞ」 耳寄せして小声で話す幼なじみに耳を傾ける。 「どんな先輩?」 「園田さんから聞いてねえの? 彼女の部活の先輩で幽霊部員」
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