第1章

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「放課後、美術準備室に来てくれる? そこで話したいの」 「わかった。旧校舎のほうだよな?」 確認で問いかけると、相手は頷いた。 「ありがとう。放課後に、また」 お礼を言って立ち去る彼女を見送ると、入れ替わるように話しかけて来た人物がいた。 「なあ、園田さんなんだって?」 「わからん」 「素っ気ないなあ。あんな美人がかっつんに話しかける方が珍しいし」 「なにげに失礼なだな、おい」 眉間にシワを寄せて文句を言うと、相手は肩をすくめた。 「男嫌いで有名だぜ、彼女。気になるだろ?」 確かに、声に出さず同意した俺だが、未だに話しかける彼に一言。 「かっつんは、よせ。いちしま。『占い師』関係だよ」
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