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あまりにしつこいから、用件のことを簡単に言えば、相手は納得していた。
「そうなんだ。でも、いちしまって、略しすぎてない?」
「市原田八嶋 悟志(イチハラダヤシマ サトシ)て、長いし言いづらい。覚えてはいるから安心しろ」
困惑する彼に、俺は遠慮なく言い返す。
彼の名字がらみの会話は挨拶がわりのものだし、お互い気にしていない。
数少ない友人の一人で、「占い師」と言われる俺の理由を知っている、小学校からの付き合いだ。
「やっぱり、園田さん美人だよなあ。あの眼鏡も似合うし、知的美人というか」
ただ、年々女性好きが同年代の中でも、特に加熱しすぎるのが心配だ。
異性と話すだけで、赤面してどもっていた初々しさはどこいった。
次の授業開始の合図で立ち去る友人の後ろ姿に、思わず「大丈夫か?」と考えてしまうのは、俺の心配しすぎるのだろうか?
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