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冷たい沈黙がしばし続いたのち、 対峙(たいじ)するふたりの大柄なデブの内の一方、黒髪にサングラスのクロフクが静かな口調の言葉を発する…!
「フッ…! やられたな、手も足も出ないとは、つまりはこういうことを言うものなのか…? 正直、思いも寄らなかったぞ、シシド?」
「…けっ、そのワリにはずいぶんと落ち着き払っていやがるじゃねえか? おめーのそういうところ、あいからわずムカつくよな! そのいつだってすかしたサマといい、やけに余裕たっぷりなツラといい…いい加減、もうちっとは慌てたらどうなのよ?」
日焼けした赤毛の男は目線の前にかざしたふたつのこぶしをぬかりなく構えたままのファイティングポーズを微塵(みじん)も崩すことなく毒づいて返す。
スキあらば今にも襲いかからんばかりの殺気だ。
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