The Blue Bird for Children

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そうアオは言うけど。 なんだかんだ波流ちゃんを見つめる目は優しくて。 しっかりお兄ちゃんなんだなあって。 初めてアオをそう認識した。 それから、買ってきた花を花瓶に入れて。 波流ちゃんを起こさないようにそっと病室を抜けて、アオと病室内に設置されている喫茶店に入った。 本当に、お金がかかってる建物なんだろう。 普通病院に喫茶店なんて付属してないからね。 この病院が異常なんだ。 よく芸能人とかが入院しているって噂になるから、人はいつも多い。 でもさ。 そんなの一般の人からすれば、迷惑だよねえ。 そんな事を頭の隅で考えながら。 ちゃっかりとコーヒーを頼んだ。 叔父さんともよく飲んだっけなあ。 私がブラックを頼めば、驚いてたっけ。 だって叔父さん、見た目はワイルドなのに甘党なんだもん。 革ジャンとサングラスが似合いそうって言われてる人が甘党なんだよ。 面白いよねえ。 ただの思い出し笑い。 そんな私を、アオはそれはそれは変な目で見ていた。 だけどそれは突然。 何も話す事が許されないような、沈黙と静寂が私達を包んだ。
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