椎名 海

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「……なあ、大丈夫?降りなくていいの」 ふと気がついたら、電車は学校の最寄駅に着いていて。 私の前には、北高の制服を着た男の子がいた。 え、誰? 私あなたのこと知らないんだけども。 ていうか、とにかく降りないと。 そう思って席を立ったのに、なぜか動けなかった。 髪の毛が引っ張られる感覚がして、後ろに引き戻される。 「…………いった…!?」 頭が痛い。 ズキズキする。 あまりの痛さに思わず声を出したら、プシューッと閉まっていくドア。 え。嘘。 えええええええ。 嘘でしょ!? そんな私の思いとは反対に、動き出す電車。 と、近くで聞こえる声。 そういえば誰かに話しかけられたんだっけ。 そう思って後ろを振り向こうとすると、また痛みに襲われる。
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