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ようやくあと二、三本のサッシを残すまでになったところで山田が勢いよく事務所のドアを開けるのが見えた。
「桜井さん、また町場建設で何かやらかしたんですか?僕のところに専務から怒りの電話がきてるんですよ玄関ドアが収まらないって本当ですか?」
「ええ、すみません。今からすぐに現場に行って確かめようとしているんですよ」
「何時に連絡があったんですか?専務はカンカンですよ。何を悠長なことを言っているんですか。今からすぐ僕の車で一緒に行きましょう」
山田の車に乗せられ、現場へと向かった。山田の車は自家用車を借り上げしているため社用車とは別のスペースに置いてありすぐに出発することが出来た。吉田の残りの積み込みをお願いし、山田の車に乗りこんだ。山田にまで連絡が言ってしまったということは怒りの火消しは長期戦になるかもしれない。現場に向かう途中の社内はぴりぴりした雰囲気に包まれた。無言の山田の表情がその深刻さを物語っていた。
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