×××お星さま×××

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成実は老人を曇りなき眼(まなこ)で見つめた。その先を知りたい。その一心でだ。 老人は成実の目を見て話すことを決めた。 「修平は生前、政府大五老師の安西慎二を監視していた。安西慎二は政府直属精鋭部隊silentの元隊長で当然監視には高いリスクを伴う。修平は安西慎二の不穏な動きに気づき監視を独断でやってきた。安西慎二は男女平等の法律を嫌う人格者だった。 女性は男性の下になるべきだと主張する安西慎二に偏見を持つ国民は少なくなかった。 安西慎二はある日、国会議事堂の書庫で一週間を過ごしたらしい。何かに取りつかれたように書物を読みあさる。安西慎二が書庫から出てきた時、修平はずいぶんと驚いたという。 やつれ、何よりも目が違っていたというのだよ。目が。 安西慎二が書庫で何を知ったのかは修平にはわからないままだったが、修平は安西慎二がこれから何をしようとしているのか、情報を知ってしまった。 そのため、監視をしていた修平は……」
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