×××プロローグ×××

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丸テーブルに五人が向かい合い座っている。部屋は神々をモチーフにしているのか、天使と女神が壁面に描かれている。天井にはシャンデリアが大五老師を明かりで照らす。国のトップである彼らには当然護衛がついている。扉の出入口には自衛軍兵士。政府直属精鋭部隊silent-サイレント-(音もなしに敵を殲滅させる)がいる。この会議は厳重な警備の下に行われる。 「では、我が国のこの危機に対策を。意見を述べ交わしましょう」 長い顎髭が特徴的な春日雅文(かすがまさふみ)三代目皇帝が口を開いた。しかし、問題が問題である。少子高齢化を防ぐ術などあるわけがない。テーブルに並ぶ四人が頭を悩ませる。いや、三人が。 一人が立ち上がった。 「私にはこの我が国の抱える問題の対処方法がわかります」 おおっ。 皆は安西慎二(あんざいしんじ)を見た。安西は話を続ける。 「我が国は少子高齢化という不治の病に侵されています。それを治癒させるには男性が女性と性行為をする必要があります。しかし、現在の我が国では女性の独立化が多く、逆に女性が男性よりも上に立つことは珍しくない」 安西は隣に座る君元律子(きみもとりつこ)を見た。君元は自分に送られる視線に戸惑いながらも平静を装おう。
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