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有香の行方を捜すのはやめといたほうがいい。成実に危険があるからだ。それを私と有香は望まない。
これから成実は厳しい状況を強いられるだろう。挫けそうになり、辛くて現実から逃れたくなるはずだ。
でも忘れないでほしい。成実は独りじゃない。成実の周りを見てみなさい。きっと多くの人達に囲まれている。
私が死んだのは私の過ちだった。師弟関係にある安西慎二。その心の傷を癒してあげることができなかった私にはもはや黙って殺される以外に道はなかった。
政治家として、一人の人間として、私は平和の主張を訴えた。法律には必ず落とし穴がある。それは完璧じゃない人が作り出したものだから完璧じゃないのは仕方のないこと。
きっと、成実はゴン爺から私の素性を聞いて、この手紙を読んでいるのだろう。だから、成実。頼むから安西慎二には近づくな。
間もなく安西慎二は日本全国に変革を起こすだろう。私の監視は安西慎二にバレていた。安西慎二は気づかないフリをしていたが、今、私は安西慎二が何者なのか。その情報を知っている。安西慎二からしてみれば邪魔な存在として消すだろうな。
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