767人が本棚に入れています
本棚に追加
/354ページ
「では、話を続けよう。
今からこの国は俺が支配する。俺の意見に反対する者はいないか?」
周りは黙り込んだ。ここで反対でもすれば園田のように殺されるに違いない。安西は元政府直属精鋭部隊silentの元隊長で銃の腕前はもちろんのこと、体術もプロも真っ青な力の持ち主だ。
今まさに若き独裁者が誕生した。その名は安西慎二。
「ここは特殊部隊の管轄区域とさせてもらう」
軍を我が物とし、国までも牛耳るつもりらしい。
さて。
安西はテーブルの周りを歩き出すと説明する。
「男性が逃げる女性を追いかけ、女性は義務的に子供を産む。すなわち絶対性交。逃げる女に追いかける男だ。これを四月の始まりと同時に行う。情報はネットやメディアなどを使えばいい」
「四月!?一週間後!?」
「海外に逃亡なんて考えているのか?君元さん。全ての交通機関は軍の支配下とする。さあ、どうする?」
君元は絶望した。まだ四十前の独身。まさかこんな形で自分に火の粉が飛んで来ようとは夢にも思わなかった。
「この絶対性交は一年間の間だけとする……」
安西は絶対性交のルールを説明し始めた。
ルールは次のようなものである。
最初のコメントを投稿しよう!