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『プログラム第三、玉入れ競争』
放送を聞いて後ろを振り向くと、すでにかごが四つそびえ立っていた。
この競技は僕ら人間が有利だ、なにしろ掴んで投げれるのだから、僕たちは不敵に微笑んだ。
『用意、スタート』
一斉にお手玉みたいな玉をかご目掛けて投げ入れる、やみくもに投げてはダメだ、スピードは要らない、かごに乗っけるイメージが大切だ、
キツネさんチームを見ると、ムムム、器用に掴んで投げ入れている、動物にしてはなかなかのコントロールだ、クマさんチームは、ダメだ、小ジカもウリボウも掴むのが苦手らしい、口にくわえて投げ入れている、そしてイタチさんチームを見ると、あっ!僕たちは目を見張った、なんと3匹ともが、玉を投げずに、口にくわえて、ポールを登ってかごまで運んでいるではないか、やられた、これは早い。
『終了、1位イタチさんチーム、2位人の子チーム、3位キツネさんチーム』
「ああ、また負けちゃった」
「くそう、くやしいなあ」
「まだ、競技はあるよ、次頑張ればいいさ」
おばあちゃんが笑って言った、僕も笑って頷いた。
『プログラム第四、徒競走』
「よしっ」
僕は少し自信があった、
学校のかけっこはもちろんのこと、鬼ごっこでも負けたことは無かった。
屈伸や伸びをして、競技に備えていると、カエデが言った。
「おれが先に走る、次にサクラ、ひろきだ」
僕は、無言でうなずいた。
『ようい、スタート』
カエデがスタートした。
楕円のトラックの真ん中を一直線に進む、ダッシュが良かった小ウサギを抜かして、小イタチと競っている、小グマは走るのが苦手なようでビリだ。
「頑張れー!」
僕たちも声をからして応援した。
『ゴール、1位人の子チーム、2位イタチさんチーム、3位キツネさんチーム』
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