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とっくの昔に廃校になった校舎の前で、僕は夕方お父さんが見付けるまで寝てたんだ、モミジの葉っぱにくるまれて。
家に着くとお母さんに怒られた。
お父さんが言った。
「さあ、ひろき、おばあちゃんに最後のお別れをしなさい」
綺麗な棺の中には、おばあちゃんがいた、まるで、ただ寝ているように、微笑んでいるように見えた。
僕は赤と黄色のモミジの葉っぱを棺に入れた、おばあちゃんの声が聞こえた。
モミジとカエデは一緒だよ。
おばあちゃんの顔を見たら、なぜか涙が出てきた、こらえようとしたけど、どうしても涙は後から後から、どんどん溢れてきて、自分ではどうしようも出来なくなった、
だから僕は我慢をやめて、泣いた。
たくさん、たくさん泣いた。
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