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しばらく坂道を下ってたら、困ったことになった。
「あれ、なんで道が二本になってるの」
ずっと一本道を上ってきたのに、帰りは道が二つに分かれていた。
どうしよう、どっちから来たのか分からないよ、僕は困ってオロオロしだした、このまま迷子になったら、お家に帰れなくなっちゃう、と思ったら僕は動けなくなった、そして悲しくなってきた。
涙が目から溢れそうになったとき、ぴょこんとソイツが表れた。
「あ、キツネ、さん」
僕はびっくりしたけど、小さなキツネは落ち着いた顔して僕を見てた、そしてゆっくり回れ右して坂道を下っていった。
「そうだ、お稲荷さんだ」
僕は思った、お稲荷さんはキツネの姿をしてる、あの小ギツネはきっとお稲荷さんの仲間なんだ、だからお稲荷さんの家に行く途中にちがいない。
僕は見失わないように、ひっしになって道を下った。
小ギツネの後について山道を下りて行くとどんどん道が狭く小さくなった、でも僕は気にもぜすマイペースで進む小ギツネについていった、僕は鬼ごっこを楽しんでたんだ。
しばらくすると僕の後ろに、小さなウサギがついてきた、少しびっくりしたけど、そのまま進んだ、良く見るとその後ろにも、イタチの小さいのが、短い足を一生けんめい動かしてついてきた。
道はもっと小さく、トンネルみたいになったけど、ここで止まっちゃうと後ろの動物達にぶつかっちゃうから、僕はひっしになって進んだ。
いよいよ立って歩けなくなった、僕は四つんばいになってそのトンネルをくぐると、出口の先は原っぱになっていた。
「わあ」
広い青空にお日さまの光がまぶしく暖かかった。
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