紅葉の学校

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僕は立ち止まり、辺りを見回した、原っぱの周りは真っ赤なモミジで縁とられて、とってもきれいだった。 「すごい、モミジだ、あれを持って帰ろう」 そして僕は思い出した。 「帰るって、ここどこだ」 失敗した、小ギツネを見失った僕は、完全に迷子になってしまった。 『キーンコーンカーンコーン』 突然鳴りだした聞き覚えのあるチャイムを聞いて僕はおどろいた、どこから音がするのか探してみると、原っぱのはしっこに校舎を見つけた。 「学校だ」 するとそのチャイムを合図に、一緒にたどり着いた、小ウサギ、小イタチが一目さんに学校に向かって走りだした、良く見ると、あの小ギツネもいた、校舎に向かって走ってる、それだけではない、リスやシカ、タヌキにイノシシみたいな動物が、あっちこっちから表れて学校に入っていった、僕はあぜんとした。 「おーいキミ!早く来いよーこっち、こっち」 え、僕のこと?突然呼ばれたからおどろいた、校舎の入り口の前で大きく手招きする、僕くらいの男の子を見つけた。 「早くー早くー走れー」 訳もわからず言われた通りに走った、全速力でダッシュした、 僕は徒競走ではクラスで一番速いのだ、4年生になったらリレーの選手になるのが夢なんだ。 「よし!ギリギリセーフだ」 「ハア、ハア」 僕は男の子の笑顔につられ、微笑んだ。 「チャイムがなり終わる前に校舎に入らないと遅刻なんだよ」 そうなんだ、それはあぶなかった。 「なかなか、いい走りだったな、おれはカエデ、お前、ひろきだろ」 カエデは、ボウズ頭におっきい目をキラキラさせて言った。 「なんで僕のこと知ってるの、ねえ、カエデ、ここはどこなの」 カエデはにっこり笑って言った。 「ここは、小学校、紅葉の小学校さ」
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