3人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は立ち止まり、辺りを見回した、原っぱの周りは真っ赤なモミジで縁とられて、とってもきれいだった。
「すごい、モミジだ、あれを持って帰ろう」
そして僕は思い出した。
「帰るって、ここどこだ」
失敗した、小ギツネを見失った僕は、完全に迷子になってしまった。
『キーンコーンカーンコーン』
突然鳴りだした聞き覚えのあるチャイムを聞いて僕はおどろいた、どこから音がするのか探してみると、原っぱのはしっこに校舎を見つけた。
「学校だ」
するとそのチャイムを合図に、一緒にたどり着いた、小ウサギ、小イタチが一目さんに学校に向かって走りだした、良く見ると、あの小ギツネもいた、校舎に向かって走ってる、それだけではない、リスやシカ、タヌキにイノシシみたいな動物が、あっちこっちから表れて学校に入っていった、僕はあぜんとした。
「おーいキミ!早く来いよーこっち、こっち」
え、僕のこと?突然呼ばれたからおどろいた、校舎の入り口の前で大きく手招きする、僕くらいの男の子を見つけた。
「早くー早くー走れー」
訳もわからず言われた通りに走った、全速力でダッシュした、
僕は徒競走ではクラスで一番速いのだ、4年生になったらリレーの選手になるのが夢なんだ。
「よし!ギリギリセーフだ」
「ハア、ハア」
僕は男の子の笑顔につられ、微笑んだ。
「チャイムがなり終わる前に校舎に入らないと遅刻なんだよ」
そうなんだ、それはあぶなかった。
「なかなか、いい走りだったな、おれはカエデ、お前、ひろきだろ」
カエデは、ボウズ頭におっきい目をキラキラさせて言った。
「なんで僕のこと知ってるの、ねえ、カエデ、ここはどこなの」
カエデはにっこり笑って言った。
「ここは、小学校、紅葉の小学校さ」
最初のコメントを投稿しよう!