紅葉の学校

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「ひろきの事はさくらから聞いたのさ」 カエデはえっへんと、胸を張って言った。 「サクラ?」 誰だろう、クラスの友達にさくらちゃんているけど、あまり仲良くないけど。 「もう、学校にきてるよ」 え、そう言われて校舎の中を見ると、女の子がかけよってきた。 「ひろき」 女の子は嬉しそうに満面の笑みで、僕の名前を呼んで両手をにぎった、でも僕はまったく知らない、でもでも、あれ?この匂い。 「ひろき、会いたかったよ、一人で良く来たね」 女の子が僕を抱きしめてくれると、僕は気付いた。 「お、おばあちゃん?」 「うん、おばあちゃんだよ」 女の子の姿をしたおばあちゃんは目から涙を溢してそう言った。 おばあちゃんの匂いで間違いないけど、どうして女の子なの?僕の疑問におばあちゃんは優しく答えてくれた。 「おばあちゃん、死んじゃったでしょ、そしたら、天使さまが表れて、お願い事を叶えてくれたのよ」 「お願い事」 僕は、おばあちゃんが女の子になった事も、天使さまの事も、死んじゃった事ですらよく分からなかったけど。 「うん、ひろきと一緒に遊びたいって願ったの」 「そうなんだ、僕もおばあちゃんと一緒に遊びたい」 僕とおばあちゃんは手を取り合って、その場でとび跳ねた。 『ピンポンパンポーン』 突然、学校放送が流れ出した。 「よし、始まったぞ」 カエデが待ってましたと、自分の手のひらを拳でパンチした。 『本日お集まりの生徒の皆様にお知らせします、これより運動会が開催されます、校舎内にいる生徒は至急校庭にお集まり下さい』
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