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『プログラム第一、準備体操』
いつもの音楽が流れ始めると、皆広がって体操をしだした、
僕はワクワクが止まらなくなり、いつもより余計に体をひねったり、曲げたりした。
『プログラム第二、大玉転がし』
どうやら競技は、僕ら人間チームと、
小グマ、小ジカ、小イノシシ?
「ウリボウって言うんだよ」
おばあちゃんが教えてくれた、ウリボウのちょっと大きめ動物チーム、
小ギツネ、小ダヌキ、小ウサギの中型動物チームに、
小イタチ、小リス、小ネズミの小動物チームに別れて闘うのであった。
「よーし、俺たち人間チームは三人しかいなくてちょっと寂しいけど頑張ろうぜ」
興奮ぎみに言ったカエデの言葉に僕も自分を押さえきれずに応えた。
「うん、円陣を組もう」
僕たちは肩をくみ、顔を付き合わせた。
「絶対勝つぞー」
「おうっ」
『用意、スタート』
四つの大玉が一斉に動き出した、
カエデが真ん中、僕とおばあちゃんは両端を押す、力任せに転がしてもダメだ、いかに真っ直ぐ最短距離を行くかで勝負が決まる。
僕たちの青い大玉はゆらゆらしながらも良いペースで進んだ、小動物チームはさすがに進みが悪い、パワー不足だ、中型動物チームは、コントロールが悪いようだ、ふらふらし過ぎてる、あとはちょっと大型動物チームは、
あっ!僕たちは目を見張った、なんと小グマが赤い大玉の上に乗っていた、そしてそのまま、大玉はすいすい先に行くではないか。
『ゴール、1位クマさんチーム、2位人の子チーム、3位キツネさんチーム』
「くっそう、くやしいなあ」
カエデがじたんだを踏んで言った。
「クマさんは玉乗りが上手だからねえ」
僕もテレビで見たことがあった。
「次頑張ろう」
「うん」
顔を見合わせ、にっこり笑った。
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