秋の写生大会

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 気がついたら、昨日の昼3時を過ぎた頃には、絵を描きに学校へ残っているのは、僕ひとりになってしまった。 校庭の桜の枯葉が、秋風に飛ばされて僕に突き刺さる。 早く帰れと、空にも、校舎にも、用務員のおじさんにも、言われている気がしてならない。 僕は、まだなんにも画用紙に描けないまんまだったけど、誰かに、みんなにうしろゆびを刺されたような感覚を感じながら、昨日はそそくさと帰ってしまったんだ。
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