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個人には正義がある。
団体には正義がある。
国には正義がある。
世界にだって正義がある。
これは少し言い過ぎな事例かもしれないが、どこにでも、正義と名のつくそれ正しさらしき事柄は存在する。
我が国においてもやはり正義と言われるものがある。
しかし、その国に今いる僕と隣にいる見ず知らずのおじさんが持ってる正義は別もので、そのおじさんとおじさんの向いに座る青年の正義だってまた違う。
これは明らかな矛盾で正義の定義が緩んでしまう。
しかしながら明らかな事実である。
その正義は、時として無罪な命を殺して、有罪な命を救うのだ。
人類は、国民は、正義の檻で守られていると錯覚するが、それは一種の催眠の様なもので、本当の所、正義というおぼつかない足元に固く鎖で縛り付けられてろくに立つこともままならないのが現状だ。
救いようがないどころか救われる意図が見つからない。
だってその1人1人は守られているという幻覚を見ているのだから。
さて、しかし、この非常事態に気づいてる人間だっている。
僕はここで思考自慢をしたいわけじゃない。
だがまあ、今から話す物語が最終的に何なんだと問われれば紛れもなく、これも幻覚、妄想の類で、そこに身を投じている僕の、いや、違うな、投じる事に反発した僕の記憶と体験の物語。
僕の生前の記憶を辿る物語。
世界一の悪を身にまとい、身勝手な自正に突っ走る、そんな僕らの物語。
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