10556人が本棚に入れています
本棚に追加
/741ページ
「ごちそうさまでした」
「どう致しまして」
ラーメンでお腹も満たされ
三神蒼志の奢りで
支払いを済ませて店を出た。
ラーメン屋から外に出ると
熱気で温もった身体に
外の寒さが染みる。
「ありがとう。
今度はあたしが何か奢るね」
あたしがそう言うと
三神蒼志はまた
柔らかく微笑んで…
「…楽しみにしとく」
その柔らかい眼差しに
あたしの心が揺れる…
ーーーその時
彼はあたしの頭を撫でて
再び手を握った。
「…話があるんだ」
その低い声と
真剣な眼差しに
心臓が打ち鳴らされて…
「…あたしも…
まだ話したい事があるの」
あたしの声に
三神蒼志は目を見張り
何かを察したように
ただ無言で頷いた
・
最初のコメントを投稿しよう!