不思議な道具

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前日に、僕は思いもよらぬ不幸にあった。 なんでそうなってしまったのか思い返すと ずーんと気が重くなってしまう。が、 僕はそのこと以外に考えられなくなり あれやこれやと想像を膨らませてしまう。 ああしておけば良かったのかなー? いやいや、こうしておけば良かったのか? 結果は出ているが、後悔ばかりが僕に残る。 「後悔先に立たず」なんて言われるけど 人間前向きにしか進めないが、考えは後ろ向き。 僕の後悔は止まらなかった… 次の日は日曜日だった。 朝は、高校生にしては早起きな時間に起きる。 友人は、昼起きが当たり前なんて 話を聞くが、なんとなく10時くらいに起きる。 父さんは土日休みの会社員なので のんびりとしている。 コーヒーを片手に、新聞に目を通しつつ 朝のワイドショー的な情報番組を流している。 その日を左右することを聞いたのは、 どーでも良さげなテレビからだった。 「どうした、ツトム? 朝から浮かない顔をするなよ。 こっちまでヤな気分になるじゃないか。 なんかあったのか?」 父親として気を使っているのか 話しかけてくるが、僕からすると 余計なお世話だ。構ってほしくない。
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