不思議な道具

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「あのね。テレビの占いなんて適当なんだから そんなに信じなくても良いんじゃあないか?」 僕は半ば諦感したようなことを言った。 「…ははは。それもそうか。 なんかツトムのことを言っているような気が したけど、他にもいっぱい居るだろうからな…」 父さんは取り繕ったかのように誤魔化しているが 僕のことだと思ったに違いない。 「アチッ!」 動揺しまくったようで、コーヒー溢しているし。 僕はテレビの占いなんてあまり信じない。 毎朝見てはいるが、抽象的過ぎてどこまで 当たったと言えるのかは甚だ疑問に思う。 「良いことあるかも!?」とか僕の負の部分を 考えたら、全部が良いことのように思えるし、 「小さな幸せ」だったら、茶柱が立ったりする だけで「良いこと」になってしまう。 『そういう世の中を斜に構えた態度が いかんのですよ。もっと気楽に考えろよ』 テレビから聞こえて来たのか?と思い 振り替えってみるが、テレビでは他の星座の 運勢を言っているだけで、そうではないようだ。 …と、すると、誰が言ったのか…?? 「父さん、なんか言った?」 「何も言ってないが、どうした?」 「いや、なんでもない」 僕は朝から変なもやもやを抱えてしまった。
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