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「――Z-031、起きなさい」
「…………」
「起きなさい、031」
「……ぃってえ!!」
成績表の角で頭を数回つついたところで、031はようやく目を覚ました。
いったい何が起きたのか分からない、というふうに、目を大きく見開いて、顔をきょろきょろと動かしている。
――目が合う。
人間離れした、整った顔立ち。
「なんだ、先生か」031は安心したような寝ぼけたような声を出して、また眠ろうとする。
わたしは031の頭を叩いた。
「起きなさい、031。他の生徒たちは、もう全員寮に戻りました。
戸締まりがあるから、あなたも早く教室を出なさい」
「なんでだよ。先生、昨日は俺にだけ『帰るな』って言ったくせに」
「居残りでしょう。あなただけテストの成績最悪だったから」
「でも俺、まだ眠いんだけどな」
「だったら、寮に帰ってから寝なさい」
――というより、そもそも何が『痛い』というのだ。
何が『眠い』というのだ。
ロボットのくせに――
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