文化祭 ―2週間前―

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―――― ―― 今や、『ロボット』という存在は世界中に広まり、別段珍しいものではなくなった。 さまざまな形、さまざまな機能を搭載したロボットが存在し、無論『ヒューマノイド』と呼ばれる人間型のロボットも少なくない。 中でも特に好まれているのが、AI――すなわち人工知能を搭載したロボットだ。 基本的な機能をベースに、見聞きした情報を記憶、処理し、まるで人間のように『成長』していく。 まさに、最先端のロボットと言える。 ただし、その高度な性能故、『不良品』、『欠陥品』が出る事も多く、AIが搭載されたロボットは工場から直接市場に出回る事はない。 ロボットたちには一定の期間、具体的には約1年という間、専用の学校で『学習』してもらい――その間に個々の個性や基本的な情報を把握し、それを『成績表』というカタチで書類にしておくのだ。 そして、生徒たちがいざ『販売される』となった時、客たちはビジュアルの他、この書類も加味して、どのロボットを買うか考える事になる――
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