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「マジで言ってるのか?こんな大事な部分が分からないまま解散してもいいのか?」
「何をそんなに必死になってるんですか。そもそもここに書いてあることが事実やと思いますか?彼は事故死したって聞いてますよ」
「でも勝田さん、さっき、この中に該当者がおるのは間違いない、って言うてたやないですか」四元が目を覚ました。
「それはあくまでも、この手紙とパズルを送りつけてきた人物が勝手に事故を事件やと言い張って、しかも犯人を決めつけているだけや。何もここに書かれてある事が真実やとは言い切れんやろ」
「そしたら、ここに書かれてあるんは、嘘やって言うんですか?」
「俺はそう思うで。しかも10年も前の話やし。これを送りつけてきた奴は今頃になって一体何を告発しようとしてるんか、さっぱりわからんわ」
「俺もそう思う。大体死んだ人間からの手紙ってこと自体胡散臭いやろ。誰かのいたずらに決まってるわ。一体何をビビらなあかんねん。あれは事故や。それ以外の何物でもない」
南も勝田に従う。二人の女性も黙って頷く。
「そうと決まったら解散やな」勝田はさっさと帰り支度を始めた。
四元は眠たげな目をこすりながら「よっこらしょ」と腰を上げた。
彼らの言っていることは本心ではない。木村は確信していた。ここにいる者達全員が、本当はジグソーパズルに書き込まれたメッセージの内容が気になって仕方がないのだ。しかし、そんな本心を誰も見せようとせず、必死で平静を装って見せているようにしか木村の目には写っていなかった。
木村はもう一度、裏返しにされたジグソーパズルに視線を移した。
そこには赤いマーカーで、手書きでこう書かれてあった。
『あれは事故ではない
俺を殺した者が
この中にいる
それは だ
真実が、そして後悔の念が
貴様を待っている』
「木村さん、まさか木村さんの名前がそこに書かれあるなんてことないですよね?だから必死になってそのメッセージにこだわるんと違いますか?」
「まさか。それやったら、木村さんが一番始めに解散しよって言うやろ。自分の名前が書かれてあるって分かってたら、都合悪いから誰にも知られたくないやろ」
四元が笑いながらからかうと、勝田が即座に否定してみせた。
「なるほどな。ってことは解散を始めに言い出した奴がこのメッセージの言う犯人か。誰や?」南が悪のりする。
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