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何だろう……よく分からないけど。
胸がジーンとして、何かが込み上げてきそう。
「おいおい……何泣きそうな顔してんだよ。泣いたら化粧崩れるぞ?」
昔と同じように、私の頭をポンポンしながら、海翔が優しく微笑んだ。
今日は『一生に一度の晴れ舞台の日』だからかな。
いつもより涙腺が緩んでいるみたい。
海翔と出会った頃からの記憶が、走馬灯のように蘇ってくる。
「……そろそろ、チャペルに向かう時間だな。
俺、先に行って待ってるから。みっちー、また後でな。」
そう言って、海翔は私に軽く触れるだけの、不意打ちのキスをした。
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