0(歪始)

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それからしばらくして目的の定食屋さんの『まさやん』に到着する。 まさやんは、通学路と地元の会社が多くある通りにあるので学生とサラリーマンでごった返している。 だから、満席で待つことも少なくはないのだけど今回はたまたまテーブル席が1つ空いており、スムーズに入店が出来た。 ここが繁盛している理由は立地だけでなく味も、もちろん美味しいが価格が物凄くリーズナブルなところだ。 定番が出し巻き定食。 ふわっふわっの出し巻きに日替わりの小鉢と炊きたてのご飯にミニうどんが付いて550円では繁盛して当然だ。 「おばちゃん!出し巻き定食3つね!」 侑斗がいつものように亭主のおばちゃんにオーダーを通す! 「はいよ!侑斗くんいつもありがとうね!おっ!聡子ちゃん今日も可愛いね!」 もう1つ人気の理由は亭主のおばちゃんの人柄の良さだ。 みんなおばちゃんが好き(人間的に)でまさやんに通っている人が居るくらいだ。 「え?本当に?嬉しいなぁ!」 そのおばちゃんの「今日も可愛いね!」に聡子は口元を緩ませる。 料理が出来上がるまでの時間を使い、僕は再度先程のことを考えていることにした。 大きく違和感は2つ。
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