0(歪始)

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「いやー楽しみだな。」 帰り道侑斗は早速エントリーを済ませて、るんるん気分になっている。 「でも、賞金が1000万ならかなりの応募数があるんじゃないのか?」 それを壊すような聞き方をする。 「まぁ、たしかにそうだけどそこは俺の強運でなんとかなるでしょ!」 なんてポジティブな奴なんだ。 まぁそこが侑斗の良い所なんだけど。 「ちょっと!2人とも!」 後ろから声が僕らを襲う。 「ぉお!さっちん!どした?」 侑斗はその声の主に返す。 「どした?じゃないよ。瑞希?あんた私と一緒に帰る約束を忘れて侑斗君と一緒に帰ってるんだ?ふーん?」 (や…やばいっ) 「あっ…いや…そのっ…」 普段、冷静な僕が唯一取り乱すし、敵わないのがこのさっちんとこ楠本(くすもと)聡子(さとこ)だ。 「はいっ!言い訳しない!どうせ忘れてたんでしょ?罰として今日のランチは瑞希の奢りね?」 「…ぁあ。解ったよ。聡子?忘れててごめんな?」 「ふふっ!解ればよろしい!」 聡子は顔をくしゃと崩して笑った。 僕はこの笑顔に敵わない。 「あのさ?俺も居るなら惚気(のろけ)るならどっかでやってくんない?」 それをにやにやしながら侑斗が茶化(ちゃか)す。 「うるせーよ!」 そう言って、侑斗に軽く蹴りを食らわす。
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