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「いやー楽しみだな。」
帰り道侑斗は早速エントリーを済ませて、るんるん気分になっている。
「でも、賞金が1000万ならかなりの応募数があるんじゃないのか?」
それを壊すような聞き方をする。
「まぁ、たしかにそうだけどそこは俺の強運でなんとかなるでしょ!」
なんてポジティブな奴なんだ。
まぁそこが侑斗の良い所なんだけど。
「ちょっと!2人とも!」
後ろから声が僕らを襲う。
「ぉお!さっちん!どした?」
侑斗はその声の主に返す。
「どした?じゃないよ。瑞希?あんた私と一緒に帰る約束を忘れて侑斗君と一緒に帰ってるんだ?ふーん?」
(や…やばいっ)
「あっ…いや…そのっ…」
普段、冷静な僕が唯一取り乱すし、敵わないのがこのさっちんとこ楠本(くすもと)聡子(さとこ)だ。
「はいっ!言い訳しない!どうせ忘れてたんでしょ?罰として今日のランチは瑞希の奢りね?」
「…ぁあ。解ったよ。聡子?忘れててごめんな?」
「ふふっ!解ればよろしい!」
聡子は顔をくしゃと崩して笑った。
僕はこの笑顔に敵わない。
「あのさ?俺も居るなら惚気(のろけ)るならどっかでやってくんない?」
それをにやにやしながら侑斗が茶化(ちゃか)す。
「うるせーよ!」
そう言って、侑斗に軽く蹴りを食らわす。
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