0(歪始)

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(こんなに早くに決まるものなのか?) この疑問が払拭されずに、僕は立ち尽くしていた。 「どうした?瑞希?嬉しくねーの?」 それを不思議に思ったのか侑斗が、心配そうに僕を見つめながら聞いてくる。 「なぁ確かに当選したのは良いことなんだけどさ?あまりにも決まるの早くないか?」 「あー。そういえば本当だね。侑斗君はさっきエントリーをしたばかりて言ってたもんね。」 聡子も僕の意見に食いつく。 「うーん。まぁ考え過ぎじゃね?もしくは案外エントリーしたのが俺らだけだったのかもしれないし!」 侑斗は、そんなことお構い無しにそう言ってまた定食屋さんに向けて歩き出す。 「まぁそうだね。考え過ぎかもね!」 それにつられて聡子も歩き出す。 (確かに考え過ぎな部分もあるだろうけど、賞金が1000万なんだからもう少し番組側は検討してから選ぶと思うんだけどな。それに当選したならメールだけじゃなくて、電話とかで詳細なことを決めていくもんじゃないのか?) 2人と違ってなかなか納得出来ずにいたが、考えても仕方ないので2人の後を追って歩き出す。
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