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でもさすがに髪の毛はボーボーなので急いで整えて。
「お化粧、どーしよ」
「いらない。小春はそのままで十分カワイイよ」
上着を羽織りつつ、ニコニコしながら臆面もなく言い切る彼。
「そう? じゃいっかぁ?」
「ん! カワイイ!」
私の調子に乗りまくった返事に、更に輪を掛けてノリノリな対応をして、彼はニコニコ斜め掛けの鞄を身につける。
私だって身の程は知っている。
自分が『カワイイ』に分類されるような女でないことは、百も承知だ。
更に言えば、彼の『カワイイ』が百パーセント本気だなんて思ってないくらいに、冷静なつもり。
お前は口先の魔術師かってくらい、何度も私を誉めそやす彼の言葉なんて、申し訳ないけど全てを信じる気にはなれない。
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