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「志々津紅美を生かすために、あの土地が必要だったんじゃないか?」
「え?」
「あの土地の力とそれと―」
と言葉を止め、砂姫を見た。
「……私?」
誰も答えなかったが、だからこそ、それが正解のような気がした。
「紅美様があの学園に来られたのは中等部からですね?」
執事の言葉に頷く。
「それまではスイスに居るおばあ様が具合悪いから、あっちに行ってたって聞いたけど」
「恐らく、それまでは表に出られるような状態ではなかったのでは?
あの土地は砂姫様の存在に反応します。
貴女が通われて、充分力が満たされ、そこから力を得ることが可能になったから紅美様が通われるようになったのでしょう」
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