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「あ、あれ……? あれ……!?」
秋色に色づいた森の奥深く。
どんなお願いごとでも叶えてくれるという神社にお参りしてきた少年を、木枯らしが包んだ。
舞い散る落ち葉に覆われ、目を開けたとき、彼は……
「お、俺、俺じゃなくなってる……!?
もしかして願いが通じた……!?
クラス一の美少女、憧れの姫野さんになって、アンナコトやコンナコトしたいっていう……
………
……………
………………
おい、おい神様、
犬になりたいなんて頼んでねーよッ!!!
なんで姫野さんじゃなくて姫野さんの飼い犬と入れ替わっちゃってんだよ!!!
…………いや、でも待て。
これってある意味オイシイ状況なんじゃ?
あ、憧れの姫野さんに、リードを付けられて、
秋深まる森を、お散歩……
か、神様!
お願い聞いてくれて、ありがとー!!!!!
アアッ姫野さん! そんなに引っ張らないでッ
いやもっと引っ張って!!わんわん!!!!!」
興奮したように吠えまくる犬と、
容赦なくそのリードを引っ張る美少女。
そんな一人と一匹を、冷たい目で見送る一人の少年がいた。
(ばかね、わたしはこっちよ……。
いつになったら気がつくのかしら。今あなたを引っ張ってるわたしのカラダの中身は、わたしの可愛いラッキーちゃんだっつーの。
まあ、いいわ。
このカラダ、有用に使わせてもらうわよ。
健康な若い男、しかも黙ってればそこそこイケメンだしね?
一回男になってみたかったのよねー!
うふふっ、ナニしちゃおうかしら……
ああ、神様、ありがとうっ!)
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