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「よしあきさん…どうしたのかな…お弁当を食べないのかな…」
「別にぃ…同じメニューの繰り返しのお弁当のどこがおいしいのか…」
「同じメニューって…お弁当工場の人たちは、毎日の献立を考えて作ってくださっているのだよ…お弁当を食べないと午後のお仕事に差し支えが出るのだよ…」
「それがどうかしたのかよ…キューデン本社の社員は豪華な社員食堂で豪華な料理を好き放題食べていて、製造の人間は給料引きで注文をしたひやめしを食わせて何がしたいのだ…ブツブツ…」
「よしあきさん…」
「キューデン本体だけですかね…社内恋愛推進会社と言うのは…」
よしあきの言葉に対して、大村さんはこう言ったのでありました。
「いや、製造工場の人たちも社内恋愛しているよ…」
「どーなんだか…」
「いや、ここの工場でもキューデン本社のOLさんと恋愛をしている人はいるのだよ…」
「どーやってであったのでしょうか…」
「どうやってって…例えば、勤労青少年ホームで習い事をしていた時に知り合ったとか…ここの工場でも、キューデン本社のOLさんとのお見合いイベントはあるのだよ…」
「あっても行かないからな!!」
「行かないって…」
「製造の従業員が色恋にうつつをぬかしたら納期日に遅れるので社内恋愛をするなとキューデンの本社の人間が言っているのだよ!!」
「そんなことは言っていないよ…」
「オレ…キューデン本社のOLと恋をしないから…と言うよりも、結婚自体がイヤなのだよ!!」
「結婚自体がイヤって…」
「ガマンをするための結婚でしょ…それって…」
「ガマンをするための結婚じゃないよ…」
「それじゃあ、何のために結婚をするのだよ!!結婚はガマンをするための結婚であって、自由な時間がない上に、お給料も自由に使えない…少ないお給料でどうやってお嫁さんを養えばいいのですか!?」
「どうやってお嫁さんを養うのかって…」
「少ないお給料では、好きな恋人ができても、恋人はオレではなく…キューデン本社の男性を選ぶに決まっているので…オレはお嫁さんが来てくれないのだよ…教えろよ!!少ないお給料でどうやってお嫁さんを養うのかをよ!!」
「どうやってお嫁さんを養うのかって…少ないお給料でも共稼ぎをすれば不足分を補うことはできると思うよ…」
「そんなことはできません!!不可能です!!」
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