第1章

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牧野君が去って、私達はいわゆるガールズトークをし始めた。 と言っても、そんな可愛いものではなかった。 突然、紗良から、 「美和って、牧野のこと好きなの?」 と、切り出されたのだ。 こんなことを聞くということは、やっぱり紗良は牧野君が好き……なんだよね。 「うーうん、そんなことないよ?」 私は取り繕うように、笑った。 極力いつもの笑顔通り。 「だったらいいんだけど、これからも牧野は絶対やはしめておいてほしい。」 紗良のこんな真面目な顔、初めて見た。 それぐらい本気なんだ…… ホントはもっと聞きたかった。 紗良の気持ちを聞きたかった。 私は、うん……とだけ言った。 恐かったんだ。
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