第1章

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それだけを言い残して、紗良は足早に去っていった。 まあ……そうかあ。。 だって、仲いいもんね……。 疑問なんて、何一つない。 二人は仲が良くて、片方が片方に恋心を抱く。 自然すぎる流れ。 そうか…… 私達、今までこんな話したことなかったけどさ…… 紗良……そうだったんだ……… 紗良の気持ちなのに、私が制御していいものじゃないのに…… 紗良が牧野くんのこと、好きなの、嫌だって……思ってる……… ………そこの辺ぶらぶらしてようかなあ。 一人でいると、嫌な気持ちしか出てこない。 私、ヤな奴だなあ。 私が一人で歩いていると、 「あ!美和! 今一人なの?一緒に回らない?」 同じクラスの女子グループに誘われた。 私はその子達と、模擬店を回ったり、劇を見たりした。 楽しくって、この嫌な気持ちも忘れられそうな気がした。
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