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~僕~
僕は夢を見ていた。夜空を切り裂くような天の川が神秘さを醸し出している。僕の隣には黒髪を長く伸ばした『あの子』が座っている。
その小さな掌を広げて嬉しそうに天の川を乗せた。
『天の川ってね。お星様が1000億個も集まってるの……人の手では決して踏み込めない奇跡の芸術なんだよ』
そう言って僕の方に振り向いた────。
「……はッ!?」
目が覚めた。見慣れた部屋の天井が視界に写った。寝汗が酷く、時計で時刻を確認するとまだ早朝だった。
彼女と話してから一週間。なぜか毎日この夢を見るように──────。
「ウグッ!?」
ズキン、と鈍器で殴られたような頭痛がした。思わず額に手を当てる。
(あれ?僕は昨日────)
またハッとなる。
「────────僕は昨日……何をしていた?」
…………………。
……………。
………。
これが僕の【欠陥】。欠陥品の僕は昨日の記憶が丸ごと抜けていた。
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